USBについてのあれこれ
~Type C 編~

USBについてのあれこれ<br>~Type C 編~

この記事で紹介している製品

USBメモリ製品

USBType Cの話をもう少し

USB Type C コネクタ

USB (Universal Serial Bus) について、規格の話コネクタの話、と続きましたが、今回は特にUSB Type Cコネクタにフォーカスして話を進めていきたいと思います。
とはいえ、Type Cコネクタ(ケーブル)の種類は多いのでその方面は深掘りをせず、概要的な話で進めさせていただいたいと思います。

USB Type CとはUSBの通信規格の名前ではありません

先にざっくりとしたまとめ

USB Type Cといっても、これはあくまで物理的なコネクタ形状(とケーブル)の名称を指しており、USBの通信規格とは少し別の話となります。
もちろん高速なUSB4(実際にはUSB3.2以上)を使うにはこのType Cコネクタケーブルが必要です。

また、Type Cコネクタの規格上でUSB PD(Power Delivery)に関する規定がなされたため、給電に関して非常に使いやすいコネクタになっています。このため、スマホでの急速充電。ノートパソコンのACアダプタの置き換え。モバイルモニタなどをUSBケーブル一本で給電し動作させる。といった周辺機器との接続などにも用途が広がっています。

一方で、高速信号転送が可能になったことで、別規格通信をALT mode(Alternate Mode)で流すことができるようになりました。
このため、DisplayPortの通信を使う高解像度用の映像ケーブルとして、DisplayPortコネクタケーブルの代わりにType Cコネクタケーブルが採用される機会も増えてきているかと思います。

Type Cの説明①

USBType C は多機能です

前述の通り、Type Cコネクタはあくまでコネクタの規格になります。
とはいえ、高速転送、大電流給電、コネクタ上下の問題、などなど色々な課題を解決するように誕生したのが、このType Cコネクタになります。

それまで、USBのコネクタはホスト側(PC側)はType A(mini A, micro A)、デバイス側(周辺機器側)がType B(mini B, micro B)という区分けで使っていたものを、ホスト側/デバイス側関係なく同じコネクタで共通化している。というところも大きな特長になるかと思います。

また、USB PD(Power Delivery)の規格ができたことで、Type Cコネクタ経由で、大容量の給電が可能になったことで、ノートパソコンの充電もACアダプタでなくType Cで充電する製品が増えてきています。

一方で高速伝送の規格にも対応しており、USB4の通信でも使えるという優れもののコネクタです。
Type Cには、ALT Mode (Alternate Mode)と呼ばれるモードがあり、これはUSB Type Cの通信帯域を使って、別規格の通信信号を流すモードになります。
このALT modeを使うことによって、USBを使って高解像度の信号出力も転送できるため、USBケーブルだけで4Kや8Kといった高解像度のモニタ画像出力も可能になりました。

Type Cの説明②

とは言え、いいことばかりじゃない

Type Cのコネクタは万能選手とも言えるような、いろんな規格対応しているにもかかわらず、形が同じということで逆に混乱を招いている部分もあります。
つまりType Cという見た目は一つのコネクタ規格を使っていながら、いろいろなデータを流すことができる、というメリットの裏返しになっているデメリットに注意が必要です。

電流定格や通信規格がどんどん機能向上しているため、例えば使用するType Cコネクタ(ケーブル)が、使う上で要求されているスペックを満足していない場合に、正常に動作しない。あるいは期待される機能が使えないことがある。という問題が発生する場合もでてきます。

つまり、適当にType Cのケーブルを買ってきてつないだだけでは、ちゃんと動かない場合がありますよ。ということが起こりえます。
見た目は同じなので、つい金額だけで買うと色々と失敗し易いのでご注意ください。

Type Cでできること

Type C コネクタで扱える規格

USB Type Cのコネクタで扱える主な信号規格について、簡単な一覧表を作ってみました。(全部は網羅できてないです。ごめんなさい)
これ以上は深掘りしませんが、よく聞くThunderbolt 4も実は通信規格の一つとなります。しかしながらThunderbolt 3からコネクタにType Cを採用した(それ以前はDisplayPortコネクタを採用)ことや、扱える信号もほぼ同じであるため、わかりづらくなっているかと思います。
このようにType Cコネクタで対応できる規格は多いのですが、さらに対応する規格が増えてくると、覚えるのが大変そうです。

繰り返しますが、使う機器(目的)の通信速度や供給電力に対応したType Cコネクタ&ケーブルをお使いください。

Type Cで扱える主な規格と主なALT mode

規格名ALT mode ※通信速度給電電力
USBThunderbolt
DisplayPort
HDMI
PCI Express
40Gb/s15W
100W(USB PD)
ThunderboltThunderbolt
DisplayPort
PCI Express
USB
40Gb/s15W
100W(USB PD)
USB PD(Power Dlivery)100W
240W(ESR)
※実際には組み合わせで動作制限があります。

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